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大阪科学技術センター・関西ブレインコンソーシアム

大阪の産業再生とベンチャー

2003.2.13 塩沢由典  .

(1)大阪の現況

○失業率  
・失業率(=>参考資料 南関東より1.8%程度高い)

○地盤沈下(40年以上)
・GDP構成率 17%
・地場産業

(2)構造的問題

○首都でない地域共通の課題
・関西政府の不在
・地域レベルの政策形成主体

○議題設定ができない
・頭脳の不在
・東京の後追い

○情報構造
・雑誌  東京vs.関西  50倍以上
・オピニオン・リーダーの養成(Cf.創造都市研究科都市政策研究分野)

(3)3つの大転換

○日 本 
キャッチアップからトップランナーへ
アジア諸国の追い上げ

○世界・先進国 
脱工業化
第4次産業の時代(知識・文化産業)
TT革命(組織の存在理由の変化)

[参考]1990年代前半 (日経新聞2003.1.10 33面)
サービス業 製造業、卸小売飲食店の従業者数を追い越す。
製造業   1992年をピークにして、急速な減少に転ずる。

(4)転換に対応できているか

○国家制度
地方分権、道州制

○人事
終身雇用制、年功序列・賃金制、労使協調

○教育
底上げ教育、画一教育、平均主義(総点主義)

(5)大阪から始めよう

○人づくり
「一年之計莫如樹穀、十年之計莫如樹木、終身之計莫如樹人」(管子・権修)

○トップラナー期の人間像
キャッチアップ期の人間像vs.トップラナー期の人間像
頭の速い秀才vs.頭の強い秀才

○大阪市立大学大学院創造都市研究科   (詳細は、パンフレット参照)
・研究分野ごとに明確な育成目標
・「いま」「これから」の問題に取り組む。

(6)参考にしたいこんな動き

例1:森下竜一(阪大助教授、アンジェスMG取締役)
例2:進藤晶弘(メガチップス・メガフュージョン創業者、創造都市研究科教授)
例3:藤川泰彦(潟買@イナス、田村敦宏技術顧問:SuperMatrixSolver)
例4:新藤次郎(セラーテム・テクノロジーズ、VFZ)
例5:木内隆博(ラ・サラ株式会社代表取締役、大阪市本町3丁目)
例6:山納洋(扇町Talkin'About主宰者、Ogimachi Incubator Office支配人)

(7)政府に頼らない気風に可能性

○経済政策
  政府だけができることか。(そう思うと=>陳情しかない)
  福沢諭吉「一身独立の気力」

○五代友厚方式

[参考資料]

完全失業率 (実数 %) 総務省労働力調査 2004.1.31 発表

   北海道 東北 南関東 北関甲 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州
1999年 4.9 4.2 5.1 3.6 3.5 3.9 5.6 3.9 4.1 5.0
2000年 5.5 4.4 4.8 3.8 3.6 3.7 5.9 3.9 4.1 5.4
2001年 5.9 5.0 4.9 4.1 3.9 4.1 6.3 4.2 5.1 5.6
2002年 6.0 5.9 5.4 4.4 4.0 4.1 6.7 4.3 5.2 6.1
2003年 6.7 5.6 5.1 4.6 4.0 4.0 6.6 4.3 4.8 5.9
注 近畿={滋賀,京都,大阪,兵庫,奈良,和歌山}




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