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関西経済の復権と大阪市立大学に期待されるもの

〜関西ルネッサンス〜
市大経済学部創立55周年記念 経友会シンポジウム

発言要旨

塩 沢 由 典

(1)30年後の産業構造・就業構造

2030年代ごろを目標に大阪・関西が世界の中でどんな役割を果たしていけるか考えなければならない。その時代の産業構造・就業構造を想定して、新産業政策を考えなければならない。

前提  大阪市2001年 事業所総数23万件 従業者数243万人
@農業従事者は、400人以下  なにわ野菜など
A製造業  現在 36万人 今後10%以下に
B卸・小売・飲食店 11万事業所 従業84万人   
Cサービス 5.9万件 69万人

このサービス業が絶対数・比率ともに伸びざるをえない。
そのとき、キーワードになるのは、以下のようなものだろう。
@文化・芸術・コンテンツ
A観光・買い物・娯楽・歴史・工芸
B知識・研究開発・学術

(2)創造都市という概念

ヨーロッパの概念。文化・観光・創造による都市づくり。

○ビルバオ(45万人、バスク中心都市) 文化による都市再生
50〜60年代 造船・石炭 70年代衰退 失業率25%にも 
グッゲンハイム美術館(1997年、130億円)

○ボローニャ(40万人、エミリア・ロマーニャ州都)
大学都市 80年代衰退(人口50万=>37万) パッケージ・バレー
アルディーニ・ヴァレリアーニ工業学校(1844創設)

(3)都市の生活の質

イタリアの「生活の質」指標
@生活内容・水準Aビジネス・労働B公共サービスC犯罪D人口動向E余暇活動
とくにCとEに注目

(4)大阪を創造都市に

創造都市研究科重点研究「創造都市を創造する」 社会実験型の研究
具体的な取り組み例:扇町創造村
大学新しい社会の動きを作りだす中心に(大学の頭脳機能、人材育成機能、知識創造機能)


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