大阪複雑系セミナー
 複雑系セミナー

 

<セミナーの目的>

計算機科学の発展により鮮明になった合理性の限界は、数学や物理学、工学などに衝撃を与えるともに、人間の認識や知識の在り方の再検討を迫っている。複雑さは、また複雑な系の中で行動する主体にとってもっとも重要な与件のひとつであり、人間や動物の行動研究の基礎である。近代の哲学と科学は、合理性の及ぶ範囲内で分析・思考することを続けてきたが、複雑さの発見はこのような接近法に限界があることを示すものである。本セミナーは、脳や市場経済のような複雑な対象に接近するための言語と枠組みを形成し、新しい世界理解の方策を探るための学際的フォーラムである。

 

<世話人>

塩沢由典(大阪市立大学経済学部、経済学)

伊達悦朗(大阪大学基礎工学部、数学、1993年7月から)

辻下徹(北海道大学理学部、数学、1993年6月まで)


研究会の記録(1)

 

第1回 1992年5月7日  大阪大学理学部E棟3階大セミナー室

山口昌哉(龍谷大学理工学部、数学)

  「経済現象と社会現象のカオスを巡って」

 

第2回 1992年6月4日  大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

塩沢由典(大阪市立大学経済学部、経済学)

  「複雑なものとみて分かること」

 

第3回  1992年12月3日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

  斉藤了文(大阪体育大学、哲学)

  「工学の基礎に横たわる複雑性について」

 

第4回  1993年2月4日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

辻下徹(大阪大学理学部、数学)

  「非有基的集合論の紹介−−複雑系の新しい表現方法として」

 

第5回 1993年3月11日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

塩沢由典(大阪市立大学経済学部、経済学)

  「複雑系におけるコミュニケーション−−階層組織内の知識分業と知識交換」

 

第6回  1993年5月13日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

  宮地充子(松下電器産業)

   「現代暗号理論の紹介」

 

第7回  1993年6月10日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

向井国昭(慶応義塾大学環境情報学部)

「状況理論のモデルの構成のための数学的道具」

 

第8回  1993年10月7日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

斎藤清(神戸商科大学経済研究所)

「経済現象の視覚的分析」

平林忠(花王石鹸・文理科学研究所)

「株価変動の数理分析」

 

第9回  1993年10月28日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

古川俊之(国立大阪病院長)

「医者はなぜ誤診するのか−−診断学のニュー・パラダイム」


研究会の記録(2)

 

第10回 1993年11月11日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

重定南奈子(奈良女子大学)

「競争系の数理モデル」

 

第11回 1994年2月3日   大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

  池上高志(神戸大学・自然科学研究科)

「進化ダイナミックスとエラー」

 

第12回 1994年5月12日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

苫米地とまべち英人(徳島大学工学部・知能情報工学) 

「サイバー仮想現実: 近未来型仮想現実の理論と実現実験」 

 

第13回 1994年6月2日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

吉田和男(京都大学・経済学)

「非線形・非平行・複雑系の経済学」

 

第14回 1994年11月10日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

   佐藤宏介(奈良先端科学技術大学院大学・情報工学)

「感性情報処理: コンピューターは感性をもてるか?」

 

第15回 1994年12月22日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

   西山賢一(埼玉大学経済学部、経済学)

「即興的な徒弟制−−組織の免疫パラダイム」

 

第16回 1995年2月2日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

釜江哲朗(大阪市立大学理学部・確率論)

「エルゴード理論とフラクタル」(仮題)

 

第17回 1996年6月13日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

団まりな(大阪市立大学理学部・生物学)

「複雑さと階層性」

 

第18回 1996年8月2日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室 

Thomas Ray (国際電気通信基礎技術研究所・人口生命)

”Evolution of Digital Organisms" 

 

第19回 1998年10月7日 大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室

第1報告 New Institutionalisms in Social Sciences

-A Critical Appraisal-

 Yoshinori Shiozwa(Osaka City University)

 

第2報告 Complexity and Globalization

-The Nonlinea Dynamics of Nature and Society-

Klaus Mainzer(University of Augsburg, BDR)


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